コロナ禍で進む不動産テックが変える不動産業界

2021/04/16

昨年来の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、働き方改革が急速に推し進められる事態となりました。
当たり前だと思っていた従来の働き方に変化が求められています。しかし働き方だけではなく既存の商習慣や仕組みさえ変えなければならない時代の動きが感じられます。
今回は不動産業界のDXを推し進めている不動産テックについてお伝えします。

そもそも不動産テックのテックって何?

まず不動産テックが何かというと、不動産テック協会の定義では「不動産テック(Prop Tech、ReTech:Real Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと」となっています。

 

テックとはテクノロジーのことで、ビジネスの取り組みに関してただインターネットを利用するのではなく、既存の業界やそのサービスに最新のテクノロジーを組み合わせ、革新的なサービスや製品の提供のことだといえそうです。

最新のテクノロジーって何のこと?

不動産業界だけではなく、〇〇テックに活用される代表的なテクノロジーには以下のようなものがあります。

  • AI(人工知能)
  • IoT(モノのインターネット)
  • AR(拡張現実)
  • VR(バーチャルリアリティ)
  • ビッグデータ
  • ブロックチェーン
  • 高機能センサー
  • ロボット

どれもニュースなどでよく見聞きするようになりました。
スマートフォンやクラウドの普及、また利用しやすい価格帯になってきたためビジネスへの活用が進んでおり、消費者として意識せずとも利用していることが多くなりました。

それで不動産業界への影響は?

コロナ禍の影響によって不動産業界でも新たなコミュニケーションの方法が求められており、できる限り非対面・非接触での対応が急務となっています。

もともと不動産業界は他業界に比べてIT化も進んでいないといわれており、紙や印鑑を扱うことが多く、そのやり取りに関しても郵送やFAX、電話でのやり取りがほとんどで対面での接客やアナログな対応が多いです。

しかし、ここにきてハイブリッドな働き方へと大きくシフトしている中、不動産業界内でも様々な分野でデジタル化が進み、急拡大している不動産テックが不動産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速しています。

テクノロジーが身近に、そして便利になっていくことで時代のニーズにマッチした対応が求められます。企業がデジタルシフトするのは必須で、出遅れていた分さらに加速していくと考えられています。

不動産テックは住まいを探す消費者などにはどう便利になるのか?

前述したとおり不動産業界はアナログな対応が多いため、物件を探して契約する場合には、検討している物件や不動産会社へ何度か足を運ばなければなりません。

しかし、VRを利用した内覧システムやIT重説(リモートでの重要事項説明)など不動産テックによって非対面での対応が可能になってきているので時間や場所を選ばすに契約が進められ、物件探しの在り方が変わってきています。

また、不動産テックは入居後の暮らしにも劇的な変化を与えてくれます。
IoTによって家の中のさまざまなモノがインターネットとつながり、スマートデバイスでの簡単な操作や音声でのコントロールが可能となり、外出先からも確認や操作ができるようになります。またデータが集まれば学習して自動で対応するようにもなります。

IoTの利便性が普及して生活になくてはならないものになってくれば、エアコンや独立洗面台などと同様に物件選びに必須の条件になってくると予想されます。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、非対面、非接触を推奨する環境が不動産テックを注目させ、活用を加速させていることは間違いなさそうですが、テクノロジーが身近になり、より便利なサービスが普及することによって業界内の取り組みや法改正も進んでくれば、他の業界から遅れていただけに不動産テックの拡大は勢いを増しそうです。

これだけデジタルが普及して、革新的なサービスや製品が多数生まれてくることは、不動産そのものに対しての価値も変化していると考えられます。
不動産テックは働き方を変えて、商習慣や仕組みを変えて、住まいの選び方を変えて、暮らしの利便性を変えて、今後も発展していき不動産業界を変えていくと考えられています。

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