広く深い知識が必要? 不動産業界で活躍するために注目すべき資格はこれ
2015/10/20
「宅建」と聞けばほとんどの方が一度は聞いたことのある資格だと思いますが、4月に宅地建物取引業法が改正され、今までの「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」となって初めての試験が行われました。
不動産投資が盛り上がる中、宅建資格の格上げで士業と位置づけられ業界の魅力や関心の高まりは業者数にも表れており、平成26年度末では12万2685業者になり9年ぶりに0.5%の増加となりました。
今回は、今後の不動産業界で注目すべき資格についてお伝えしたいと思います。
王道の資格「宅地建物取引士」とは
「宅地建物取引士(宅建士)」とは、法第16条の2の規定に基づいて国土交通大臣より指定試験機関として指定を受けた一般財団法人不動産適正取引推進機構が、各都道府県知事の委任のもとに実施している試験に合格し、実施した都道府県知事の資格登録を受け、かつ、当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受けた国家資格者をいいます。宅地または建物の売買や貸借などの取引に対して、重要事項の説明を行う不動産取引のスペシャリストであり、4月から「宅建士」となったことで重要性も高まり、更なる知識と能力の向上を求められます。
今後も広がる活躍の場
少子高齢化や人口減少が進むことで増加していく空き家や土地の有効活用、都心部に集中していくと予想されている人口に対する中古住宅の対応など、「宅地建物取引士」は不動産の取引においてなくてはならない存在なので、幅広い専門知識と適正な技能の向上で活躍の場は広がります。生活するにも仕事をするにも不動産は深く結びついているので、不動産業界のみならず金融機関や一般企業でもその知識を活かすことができます。
また、法律関係の国家資格の足掛かりとして取得する方や、ご自身の生活に役立てるために取得する方もいます。
今最も注目すべき資格は「賃貸不動産経営管理士」
「賃貸不動産経営管理士」とは、日本賃貸住宅管理協会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会が団体ごとに運営していた賃貸管理の資格を統一資格とするために賃貸不動産経営管理士協議会が設立され、同協会が認定する資格です。国家資格化を目指して賃貸不動産経営管理士制度が創設されており、賃貸管理全般に必要な専門知識や、幅広く実用的な技能を有し管理の適正化や健全化に寄与することを目的としています。
国内の住宅のうち4分の1以上が賃貸住宅であるなかで、賃貸管理において特別な法規制が整備されておらず、年々増加するトラブルに対して専門的な立場から適切な管理業務を行い、スペシャリストとしての役割を果たしていくことに需要が集まると注目されています。
また、近年はシニア専用住宅やシェアハウス、Airbnbの台頭によって増えてきているゲストハウスなど、賃貸不動産の形態が多様化かつ複雑化している背景に対応するべく専門性の高い「賃貸不動産経営管理士」が重要視され、賃貸不動産に関して中心的役割を担っていくことが期待されています。
その他に将来性がある資格は?
中古住宅の流通活性化やリフォーム及び、リノベーション市場の活性化を国が打ち出していることで、今後注目したいのが「ホームインスペクター(住宅診断)」や「マンションリフォームマネジャー」など、中古住宅市場に特化しアドバイスやマネジメントが行える専門家の需要が高まると期待されています。他にも今年の1月に相続税の税制改正で注目されている相続税対策にも期待が集まっている分野です。
相続に対しては不動産が関わってくることが大変多く、「相続支援コンサルタント」は日本賃貸管理協会が認定しており、相続に関する知識と技能を持ち合わせたコンサルタントを養成しています。
これまでは税務の専門家などが対応していましたが、不動産の専門家が相続の発生する前に資産管理という側面でアドバイスを行えることに注目されています。
不動産業界に関する主な資格一覧
国 家 資 格 | 資 格 名 | 認 定 団 体 |
宅地建物取引士 | 国土交通省 | |
不動産鑑定士 | 国土交通省 | |
土地家屋調査士 | 法務省 | |
マンション管理士 | 国土交通省 | |
管理業務主任者 | 国土交通省 | |
土地改良換地士 | 農林水産大臣 | |
土地区画整理士 | 国土交通省 | |
民 間 資 格 | 資 格 名 | 実 施 団 体 |
公認不動産コンサルティングマスター | 公益財団法人 不動産流通推進センター | |
ビル経営管理士 | 一般財団法人 日本ビルヂング経営センター | |
不動産証券化協会認定マスター | 一般社団法人 不動産証券化協会 | |
賃貸不動産経営管理士 | 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 | |
不動産カウンセラー | NPO法人 日本不動産カウンセラー協会 | |
不動産戦略アドバイザー | NPO法人 日本不動産カウンセラー協会 | |
不動産アナリスト | 社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会 | |
再開発プランナー | 一般社団法人 再開発コーディネーター協会 | |
住宅ローンアドバイザー | 一般財団法人 住宅金融普及協会 | |
不動産仲介士 | NPO法人 日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会 | |
競売不動産取扱主任者 | 一般社団法人 不動産競売流通協会 | |
敷金診断士 | NPO法人 日本住宅性能検査協会 | |
住宅販売士 | 一般社団法人 全国住宅営業認定協会 | |
ホームインスペクター | 内閣府認証NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会 | |
任意売却取扱主任者 | 一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会 | |
不動産投資アドバイザー | 株式会社 週刊住宅新聞社 | |
国際不動産投資アドバイザー | 株式会社 週刊住宅新聞社 | |
土地活用プランナー | 公益社団法人 東京共同住宅協会 | |
相続士 | NPO法人 日本相続士協会 | |
相続支援コンサルタント | 公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 | |
相続アドバイザー | NPO法人 相続アドバイザー協議会 | |
不動産キャリアパーソン | 公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会 | |
マンションリフォームマネジャー | 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター |
まとめ
不動産業界で活躍するにはまずは「宅地建物取引士(宅建士)」を取得し、今後需要が期待される業務に対応できる資格取得を目指すのが活躍の場を広げていく道になります。業務範囲が拡大し、高度化していくなかで士業となった宅建士取得をステップアップに、そこから派生する広範囲の知識と技能を身につけて新たなビジネスモデルの対応にも関わっていけるなど、不動産業界に関わる資格の重要性と将来性に期待が高まっています。
以上、不動産に関する資格についてお伝えしてきましたが、マンション経営を行うにあったては一切の資格が必要ありませんので、不動産の売買や仲介、賃貸管理は私どもイマジン・コーポレーションにお任せ下さい。また、土地の有効活用などのご相談も承ります。