前回の記事「低金利とインフレについて考えてみたら、資産運用としてマンション経営が最適だった(Part 1)」では低金利とインフレについて説明させていただきました。
低金利とインフレがどういったもので、私たちにどのような影響があるかについて理解されたところで、今回はこの政策を舵取りしている日本政府と日本経済についてお伝えしていこうと思います。
自分のお金について考える上での参考になると思いますので、今後の資産防衛や資産運用のきっかけにしていただけたら幸いです。
インフレで政府が目指すところ
24日に政府が、過去最大の96兆7218億円という来年度予算案を閣議決定しました。
新たな借金となる国債の新規発行額は抑えましたが、厳しい財政状況に変わりはなく国の借金はどんどん増えていきます。
異次元の金融緩和政策で日銀が大量購入し、他にもいろいろと問題を抱える国債ですが日銀が買い入れていると長期金利は上がりません。
長期金利を抑えることによって、国債という名の固定金利による借金の利払いを少なくし、インフレで物価が上がることによってその借金の実質価値も下げようとしているということです。
前回もお伝えしたとおり、お金の価値が下がるということは借金の実質価値も下がります。
これは家計だけではく、財政にとっても同様の効果があります。
経済が健全に成長していくにはインフレは必要ですし、財政赤字を抑えるためにはインフレによりお金の実質価値を減らすこともしなければなりません。
政府はインフレターゲットを設定して、デフレ脱却からの景気回復と借金の価値を減らし財政赤字の圧縮を考えているといえます。
長期金利を抑えたインフレは、国にとって財政赤字を縮小させるには好都合なのです。
国債という名の借金
日銀が大量の国債を買い入れていますが、国債は国の運営に必要な資金を集めるために発行されるため、否が応でも最終的には私達国民に重くのしかかってきます。
日本の財政赤字は先進国の中でも最悪であり、国債の信用度でもある格付けも下げられています。
2015年12月現在では、日本政府が抱えている国および地方の借金は1027兆円を超えており、一世帯あたりにすると1942万円を超え、高齢者や乳幼児も含めた国民一人当たりにすると800万円以上に膨らんでおり今も増え続けています。
納税は義務ですが、日本国民として生まれた瞬間にこれだけの負債を抱え、税金というかたちで搾り取られるという言い方はちょっと過激でしょうか?
日本のデフォルトも起こりえるとの考えもあるなかで、財政破綻に追い込まれたギリシャのことを対岸の火事と楽観視もしていられない状況に陥る可能性もありますね。
低金利によるお金の循環
低金利によって預けているお金が全く増えないということは、預貯金の金利がインフレによって上昇した物価分を超えてこなければその分だけ預貯金が目減りしていることになります。
また金利が低いということは、本来借り入れてる人が払うべき金利を取らずに預金者の利子を国債の利払いに回していくということでもあり、日本人の金融資産がほぼ預貯金であることをいいことに、国民の金融資産を使って国と企業の借金返済にあてる仕組みという意見もあるようです。
まとめ(Part 2)
日銀による大量の国債買い入れでの長期金利の抑制とインフレによる借金の圧縮。
それでも財政赤字は増え続けます。
低金利によって、もらえるべき利息を受け取れずに金融資産が目減りする。
それでも物価は上がります。
低金利+極端なインフレは国民が犠牲となり、私達の金融資産を利用して国が借金を返済していくシステムといっても過言ではないと思います。
何か対策を講じていかなければ将来に対する不安はさらに大きくなるばかりです。
税金によって搾り取られ、得られる金利からくすねられ、知らずに知らずのうちに損を重ねてしまわないように次回「低金利とインフレについて考えてみたら、資産運用として不動産投資が最適だった(Part 3)」はこれまでの内容を踏まえて、将来の生活を豊かにするための資産運用についてお伝えしていきます。